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2009年5月30日 (土)

藤澤ノリマサ:幻影

この曲の原曲は、スメタナの連作交響詩「我が祖国」の中の「ヴルタヴァ」と書かれていますが、日本では「モルダウ」と言った方が通りが良いですよね。ヴルタヴァというのはチェコを流れる川の名前で、ドイツ名がモルダウ。

チェコ名とドイツ名という関係を知るまでは、"Vltava"と書いてチェコ語では「モルダウ」と読むんだと思い込んでいて、「チェコ語のスペルって、どういう規則になっているんだろう?」なんて思っていましたが…

原曲のヴルタヴァは、小さな源流から始まって大きな川となり、エルベ川と合流するまでの情景を描いているということなのですが、藤澤ノリマサの「幻影」の始まりの、ピアノによるモチーフは、原曲でフルートが演奏する、最初の源流を表すモチーフを思わせます。

原曲はこの源流のモチーフが繰り返されるうちに楽器が増えていき、日本では「モルダウ」として有名なメロディーが始まるのですが、「幻影」ではこのメロディーをまるごとオリジナルな歌詞をつけて歌っています。

これまで取り上げた曲とは違って、クラシックの部分は抑え気味の声で静かに歌っています。自分自身に語りかけるように歌う藤澤ノリマサも、いいですね。

これに続くオリジナルのメロディーは、急き込むような音形を重ねて男の気持ちを表現し、藤澤ノリマサの歌い方がそれをより強めています。

この曲ではクラシックとオリジナルという形で発声を変えるのではなく、それぞれのクライマックスで声の厚みを増すようにして、曲全体をドラマチックに仕上げています。

その効果をより一層高めているのが、珍しく人が叩いているドラムと、ちょっと目立ちにくいのですが、ギター。

このアルバム、全体に打ち込み臭さは感じないのですが、この「幻影」を聞いてしまうと、やっぱり人が演奏する音楽っていいなあと思ってしまいますね。

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